法師ヶ滝は、鳥取市西部を流れる河内川最上流部に懸かる落差15mの直瀑である。三朝町に近い県道21号から県道281号に入り2km程度の場所で林道本谷線起点に到着。そこに「法師ヶ滝1.3km」の標識が立っている。林道を進むと沢に下る道に入りひたすら下ると乗用車2台程度の駐車スペースがある。そこから遊歩道を下り50m程度で沢に懸かる木組みの橋。その先の斜面に延びる遊歩道を数分進むと轟音を響かせたこの滝が現れる。瓦礫の斜面を慎重に下って滝壺の縁に到着する。滝の轟音の中、野鳥のさえずりも聞こえて非常に清々しい場所だった。

往古、天台修験道伯州三徳山三佛寺の山法師・山伏が回峰し御滝修行を行った聖地として、法師ヶ滝と称されている。 特に、当時、神仏混合・本地垂迹の信仰により、鷲峰神社との交流もあったことも記され、下流には三徳山の春会式に奉修する権現祭・御幸行事に鎧兜の武者姿にて司る人達の毛古屋（警護屋）・聖域を示す三徳山の大鳥居があったと伝う場所も現存している。 また、平成十二年に法師ヶ滝への遊歩道を整備していたところ、土中より黄金の不動明王念持仏が出現し、法師ヶ滝が修行の聖地として確認された。

• 日本の滝②　西日本767滝 (P.245-1)