仙厳滝は、静岡県浜松市北区滝沢町を流れる都田川の支流に懸かる落差7mの直瀑である。

新東名高速道路「浜松SA」から西に2.5km程度の場所。

今は昔、都田村に牛と馬の売り買いを商売としている一人の博労(ばくろう)が住んでいました。それは、ある年の秋も深い夕暮れどきのことです。「やれやれ、これで今日一日の商もすんだというものじゃ」ひとりごとを言いながら、一頭の牛をひいた博労は、山道のもみじの、あまりにも美しい景色に見とれながら、つい鼻歌まじりで牛の綱を引いていました。やがて仙厳(せんがん)の滝という、みごとな滝のかたわらにさしかかりました。と、このとき、なにに驚いたのか、牛は手づなをひきちぎって、滝つぼのなかへ、身をおどらせてしまいました。「あっ、牛が滝つぼへはまってしまったぞ」あまりにも突然の出来事に、博労は大声で、こう叫びつづけました。しかし、人ひとり通らない、この山道、どうするすべもなく、とうとう牛を見殺しにしてしまいました。それからのち、この滝つぼを、牛が落ちて死んだと言うので誰となく、「牛淵」と呼ぶようになったと言うことです。

仙厳の滝 → お滝 → 二光滝 → 阿多古七滝( 青谷不動滝 → 女滝 → 男滝 → 清滝 → かまんどの滝 → 倉沢不動の滝 → 枇杷の沢不動の滝 )→ 荒沢不動の滝 → 黒滝 → 無名瀑 → ふんどし滝 → 白滝 → 雨乞渕の滝 → 平澤不動の滝